2020/12/19

GENIUS OR VANDAL?


 BANKSY GENIUS OR VANDAL?

《  Kate Moss 》
この作品に纏わる話しが興味深い。

以下、会場のオーディオガイドから。


この作品は、アート・マーケットのおかしさに対して他には見られない表現をしている。
バンクシーは、作品が人気の高いものであればあるほど、関心の対象になると考えた。
アンディ・ウォーホルは彼の時代にアート・マーケットの状況を引っくり返し、消費者を優先する性質を白日にさらした。
すなわち、人々は真の技能ではなく、ブランドや人気のあるイメージにお金を払いたいと思っている、大衆は人気のあるものでない限り本当のアートを必要としない、ということだ。
当時、それはひとつのブレイク・スルーだった。
今日、世界は変化しつつあるが、消費社会は変化していない。
栄光が一流の名からもたらされる時代は終わったのだ。

単に人気だけのために制作された芸術作品が名声をもたらすことはないだろう。
名声とは、問題を引き起こすものをつくったときに、思いがけない結果として得られるものだ。
アンディ・ウォーホルによるモンローの肖像は、モンロー自身と同じくらい伝説的なものとなった。
ウォーホルはクールなアーティストであり、バンクシーが同じ方向性で制作した作品は、彼に対する一種の賛辞なのだ。
このプリント作品が作られた当時、最も有名なカバーガールがケイト・モスだったので、バンクシーは彼女を描くことにしたのだ。
《ケイト・モス》の初版は青でデザインされた。
人々はすぐさま沸き立ち、すぐに売れた。
その後、彼はこのシリーズの他のプリントを制作。
この展覧会では6枚のプリントが展示されている。
これが完全なコレクションだ。