2015/09/03

ちいさな母性


8月の最後の日の夕方から発熱。
夜中に突然はじまる 止まない咳は大抵いつも1時間ほど続く。
隙間の時間を見つけて受診するものの、その二日後のお昼には39度を超えた。
幼稚園のバス停まで迎えに出て、帰宅するなり「一緒にお昼寝しよう」と告げて横になった。


「ねむたくない、おきて!」の連発。
「なんじになったら おきるの?」と100回くらい言われていたと思う。
「三時のおやつには起きるから」と言って無視し続けた。


一時間くらいたったころ。
「水が飲みたいな」とつぶやいてみた。

「あ、みっちゃんの すいとうの おみずがあるよ。もってくるね!」 と、寝室を走って出て行き、走って戻ってきた。

そうっと飲ませてくれた。
「冷たくておいしい、ありがとう」と伝えたら、背中にまわってしばらく とんとんしてくれた。

「そろそろ、三時になったと思うから時計見てきてくれる?」

「ううん、まだと おもうよ。まだ あついから ねていたほうがいいとおもうよ。」

「私も何かお腹に入れたほうがいいから、時計に何て書いてあるか見てきてくれる?」

渋々時計を確認して戻ってきた娘は、とても申し訳なさそうに「3と09ってかいてあったよ」と言った。

「じゃ、起きよっか。」


そんなやりとりがありました。

私はずっと、実家が遠くて子育てしていることを不利だと思ってきました。
困った時に まる投げできる人がいないことを なんて不便なんだと。
緊急ではなくとも、ちょっと歯医者に行くにしても、着替えやオムツをばっちり用意して子供を預け、予約時間のために行きも帰りも小走りしているのが負担だと思い続けてきました。

しょうもない不満です。

三歳の娘とのやりとりを通じて、実家が遠いことを嘆くのではなく、こんな状況でも対応できる関係を築いていたらいいのだと気付きました。もちろん限界はありますが。

そして娘が持ちはじめている小さな母性を垣間見れたような気がして、少し気分が晴れたのでした。