「25日午前中は水道のメンテナンスにつき断水」
と、いうことで同じマンションに住む友人親子と科学館へ出かけることに。 遊びはじめて5分も経たないころ、「ゴン」と鈍い音。 次女がちょっとした段差から転んだのです。 ぶつけたのはどうやら後頭部。 痛かったねーと最初は頭をなでなで摩っていましたが、泣き方もその様子も明らかにいつもと違い、みるみるうちにぐったりしてきました。顔色も悪い。
長女を友人親子にお願いし、私は一番近い大きな病院へタクシーで駆け込みました。 目もうつろ、呼びかけにも反応が遠くなり、唇も紫色に。 このまま腕の中で遠くへ行ってしまうのではないかという気さえしてしまいました。
外来受付などすっ飛ばして小児科に飛び込み、そのまま脳外科へ。 医療用のベッドに横になる彼女の周りに医療従事者が取り巻き、それは信じられない光景でした。 すぐにCTを撮り、異常がみられないことがわかるころ、少しずつ意識が戻りはじめた次女。
いくつかの検査をして、この日は大事をとって入院することに。 世間はクリスマス。 なんて不運な一家と思われていたことでしょう。 夜には病室の小さな机で家族が持ち込んでくれたお弁当をみんなで囲みました。 病院の夕食メニューを食べ終えていたはずの次女も、再びしっかり食べました。
そのまま残る次女と私。 病室のスクエアの窓から大きなお月様が見えました。 照明を消しても室内の様子がよくわかる月の明かりが強い夜。
興奮状態が続いていたのか、付き添い用のベッドの寝心地が悪かったからか、なかなか寝付くことはできなかったけれど、静かに満月を見上げながら一日のことを振り返るには悪くない環境でした。
診断は一言でいうと「脳シントウ」 翌日には自宅に戻ることができました。
郵便受けに見つけたクリスマスのお便りと音楽。 突然の騒動で持ち去られてしまったクリスマス当日を埋めるべく聴き続けました。
人生でこんなにぞっとしたことは無いねと家族と話したことです。 自分の脚がガクガク・わなわなしているのを目撃したのも今回が初めて。
なんでもない様子も今の私にはすべてが輝いて見えるよう... 大袈裟ではありますが、そんな年の瀬を過ごしています。 |